前回、免疫は免疫というシステムだけで考えるのでなく、免疫がきちんと働く条件や場を考えることが免疫力アップにつながる、ということで下記をまとめました。
【免疫力アップのための指針】
(1)免疫システムの司令塔となる「自律神系」をととのえる
(2)免疫システムを働かせるエネルギーを残すために「ストレス」を減らす
(3)免疫抑制に作用する「医薬品」を手放す
今日から各論を書いていきたいと思います。
まずは「自律神経をととのえる」ことについて。
自律神経は振り子
自律神経は交感神経と副交感神経のバランスで振り子のようなもの。
日中活動しているとき、振り子は交感神経に傾き、夜のリラックス状態のときは副交感神経に傾きます。
日中でもずっと交感神経が右肩上がりかというとそうではなく、例えばお昼休みに少し副交感神経の方によってその後の仕事でまた交感神経にグッと傾きます。
ストレスを感じるときに出るホルモンがアドレナリンで、安心を感じるときに出るホルモンがアセチルコリン。
その影響で下記のように、身体の状態が全く異なります。
日中、時間やタスクに追われながら活動しているときは身体も緊張状態。血行は悪く、体温は低め。胃腸の蠕動運動も起こらない。そうなると血液が行き届かず少々酸欠気味なので、心拍は上がり、気道は広がります。
夜、活動が終了し自宅に帰って夕ご飯を食べているとき身体はリラックスモード。血行は良く、体温は高め。胃腸の蠕動運動も起こり、活動ではなく消化吸収にエネルギーが割かれます。
緊張があるからリラックスが活きるし、リラックスがあるから緊張も乗り越えられる。ちゃんと動いてちゃんと休息をとれていれば自律神経はととのっているはず。
振り子が乱れるときとは?
とはいえ振り子が乱れるときがあります。それは強風に煽られたり、誰かが引っ張って離さなかったり、振り子の揺れをリセットしたりととのえてくれるサポーターの存在を無視したりしてしまったとき。
自律神経が乱れるとき
(1)外部環境の変化(季節の移り変わり、引っ越しや転職、変化に伴う不安など)が大きい
(2)あわない人や空間にいなくてはいけない
(3)自然のリズムを無視してしまった
(1)外部環境の変化の大きいとストレスが増えるので交感神経優位に働きます。(2)も同様。(3)自然のリズムを無視してしまったときは説明がいりますね。
私たちの細胞の中には、ミトコンドリアというエネルギーを生成する工場があることはご存知のとおりです。このミトコンドリアの起源をたどると、植物の祖先にあたる「シアノバクテリア」に行き着きます。このシアノバクテリアが光合成をしたことで、現在の大気が作られたとのこと。
つまり、私たちの身体は植物を内包しているから、人は光合成はしないけれど太陽光エネルギーをはじめとした自然のエネルギーによって影響を受けます。
そのひとつがサーカディアンリズムを調整する体内時計です。
サーカディアンリズムとは?
生物は地球の自転による24時間周期の昼夜変化に同調して、ほぼ1日の周期で体内環境を積極的に変化させる機能を持っている。人間も体温やホルモン分泌などからだの基本的な機能は約24時間のリズムを示す。この約24時間周期のリズムのこと。
体内時計とは?
サーカディアンリズムは光や温度変化のない条件で安静を保った状態においても認められるため、生物は体内に時計機構をもっていることがわかり、体内時計と呼ばれている。
※厚生労働省「 生活習慣病予防のための健康情報サイト」より
ヒトの体内時計の周期は24時間よりも若干長く、体内時計のタイミングを外界の24時間周期の明暗周期に一致させる同調機構があって、それによって季節変化に対応しています。
その同調機構の出発点となるのが、網膜から入る明るさや暗さ。
朝に太陽光を浴びなければ交感神経のスイッチが入らず、夜にブルーライトをあびると副交感神経モードでよいのに交感神経のスイッチが入ってしまう。太陽光のリズムにのとって生活していないと自律神経が乱れるのです。
免疫力アップのための
自律神経のケア2種
現在の自粛生活の中で自律神経が乱れるのは下記2つのパターンが考えられます。
●何かしら不安を強く抱いている場合
●家の中に閉じこもりすぎて、太陽の光や自然のエネルギーを取り込めていない場合
(普段不在の夫が在宅ワークになり家にいて嫌というのはここでは置いておきます…汗)
自律神経を乱し免疫力を下げないためにも、必要以上に不安にかられるのは避けたいし、在宅が増える中で自然を取り込む工夫が必要です。
不安を解消するには?
不安を解消するにはどうすればいいのでしょうか?
みんないろんな不安解消法があると思うから、これに関して私が言えることは自分のお決まりの不安解消法くらい。
感情も事実も思いも全てノートに書き出して心を整理することと、「今自分が何の制約も受けないとして何がしたいか?」を自答して、本当にやりたいと思えるワクワクすることを、結果に固執せず実施すること。
あとはコロナ関連のニュースとはほどほどに距離を置くことにしました。キャッチアップしておくことは大事ですが、みんなが同じ方向づけをされ呑まれる感じがあります。
植物療法士として不安を和らげるハーブやアロマを用いたケアも紹介できるけど(それは別途書きます)、対処療法的だし、結局不安って自分で何を不安に思っているかを自覚するところからしか始まらない気がします。
自覚すると不安を最小化して携帯しながら生きていける。なくなるのが理想だけれど、新型コロナウイルスに限っていうといつ収束するか先は見えないし、最小化が現実的な感じ。
在宅で自然を取り込むには?
正常な精神状態を保つためにもモヤモヤしないためにも、これは大事だと思います!
外出できない中で
いかに自然エネルギーを体内に取り込むか?
私の場合はもともと在宅ワークで、出張と週末の娘との自然あそびで自然エネルギーを取り込んでいたのに、今はそれができず他の方法でバランスをとらざる得なくなりました。
自然エネルギーを取り込むために、簡単で効果的な方法を列挙します。
1:朝起きたら窓から入る太陽光を目に入れる
これ、やっていない人がいたらぜひやってほしいナンバーワン事項。寝る前にあえてカーテンをレースカーテンにしておいたり、ブラインドであれば光が入るように調整しておくのがおすすめです。
やってみたらわかりますが、朝日が網膜に入るとシャキッと起きれる(ものすごい寝不足でなければ)。遮光カーテンで目覚まし時計に起きるのがいかにストレスフルかと体感できると思います。
2:夕方になったらPC・携帯・テレビ画面は暗めで見る
夜、携帯を扱うなとは私は言えない。自律神経への作用がわかっていても私は見ちゃう。でも、朝イチ太陽光を見る習慣をつけ、夜は間接照明という生活を送っていると、昼の液晶の明るさで夜にその液晶を見ることが苦痛になってきます。
というのは、朝、太陽光をあびるとセロトニンという神経伝達物質が分泌されます。(セロトニンは精神の安定や脳を活性化させる物質)
セロトニンの分泌がスタートした14〜16時間後に、催眠作用のあるメラトニンが分泌されるため、ちゃんと太陽光を浴びた人がメラトニンの分泌が始まった時間にまたブルーライトを見てしまうと、副交感神経の方へ傾きぼんやりしてきてるのに、交感神経の方に無理やり引っ張られる感じに。。。(これ、けっこうストレス!)
1と2は簡単でお金もかからず効果的だからセットでやるといいし、子どもにも今のうちからクセづけさせると効果的だと思う!(子どもの方が早く起きたとき、カーテン開けないでテレビ観てるとかありません?)
さて、ここからは少しお金を出して自宅を自然化していく方法。木や花、菌、鉱物を家の中に持ち込むことで、自然のエネルギーを感じます。
3:花をかざる・グリーンを置く
4:ぬか漬けをする
5:自宅を温泉化
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このアムリターラのヒマラヤ岩塩は硫黄臭があってすごく温泉気分になれる!もちろん薬草風呂もよいですね。
あとは自宅を緑化しなくても、毎日なるべく木が生い茂るところでの朝のウォーキングができれば自律神経はととのいますね。私はこの新緑の緑のエネルギーを取り込みたくて今朝7時にウォーキングをしてきましたが、徒歩圏内に木の生い茂る公園はないのでわざわざ車で行きました。
こういう自粛生活が続くと、今まで週末に片道2時間ぐらいかけて自然を吸収しに行ってたけれど、すぐそばに自然がいっぱいある環境をに住みたいと思うようになったし、一方で何が起ころうとも太陽光が温かくて、緑の香りが心地よくて生きてるだけで万歳!という気にもなります。
自然エネルギーが元気をくれる。自粛生活で自然のありがたさに気づくのでありました。
by PHYTO REMEDY フィトレメディ 溝渕史乃